若年性認知症の母と私。

59歳の母と27歳の私の遠距離介護日記

やっと帰れる

2024年3月20日。

 

祖父母(母の両親)の家に1泊2日。

母は1日目の夕方から「もう帰りたい」と泣き出していました。

2日目の朝も「帰りたい」と泣いた母ですが、いよいよ帰る時間が近くなってきました。

 

ちなみに、1日目の夕方と2日目の朝は父に電話しました。

母「もう帰りたいから迎えに来て」

父「無理だよ。お酒飲んでるもん」

母「帰りたい泣」

父「娘ちゃんと一緒に帰っておいで」

母「わかった」

 

父はときどき笑いながら母と話していました。

祖父曰く、父と一緒に2人で祖父母の家を訪れるときには「帰りたい」と言ったことはないそうです。

父がいないと寂しいのかなぁ・・・?

私「ママ、パパがいなくて寂しいの?」

母「別にそういうことじゃなくて、ただ帰りたいだけなの」

私「パパに会いたいから?」

母「違うって!」

 

母はきっと父のことが大好きなんだと思います。

だけど、それをあまり口に出しません。

昔から母は父に対する愛情表現をしていない印象があります。

今の母を見ているとツンデレなんだなと思って微笑ましいですが笑

 

今回は自宅まで電車で帰るプランです。

母にはそれを伝えていて、「電車で帰るの?」と何度も聞かれました。

祖父母の家から弟の車で最寄りのJR駅まで向かい、

そのJR駅から自宅のJR駅まで1時間30分くらいかけて帰ります。

乗り換えなしで帰れるのでとっても便利です。

 

帰る支度などいろいろやることがあったので、祖父母の家を出るのは17時頃と決めていました。

母にもそれを伝えていましたが、14時くらいから母の帰りたいコールが過激化していきました。

ずっと「帰ろう。もう帰りたい」を連呼します。

暴れたりはしません。

母にどうしてまだ帰れないのか説明しても、「帰ろうよ」の一点張り。

ついに弟がしびれを切らして「もう帰ろう、帰ろう、もういいよ」とキレ気味に言いました。

 

こういうところ。

弟のこういうところがむかつきます。

なんでキレ気味なの?

そりゃ、ママはずっと同じことばかり言うからうざくなるかもしれないけど、仕方ないじゃん。

別にキレなくてもよくない?

なにをそんなにせかせか急ぐ必要があるの?

 

まだ電車の時間にはゆとりがかなりあったけど、そのほかの帰る支度はできていたので、予定より早く車に乗り込むことにしました。

帰る支度をしている間もずっと泣いていた母。

なんなら昨日から泣き続けているから目の周りは真っ赤。

でも、車に乗り込むころには泣き止んでいました。

外まで見送りに来てくれた祖父母に手を振りながら、祖父母の家を出発しました。

祖母はお土産をたくさん持たせてくれました。

主に手作りのお料理です。

祖母はいつも帰る前に手料理を持たせてくれます。

そのおかげで祖父母の家を出る時間が遅くても、自宅でちゃんと夜ご飯を食べることができます。

 

弟の運転は以前よりもうまくなっていました。

母もそれを認めたようで「上手くなったね」と褒めていました。

予定より少し早めにJR駅に着いて、弟とはここでお別れです。

弟はこの駅の近くで一人暮らしをしているので、帰る場所は別々です。

 

私は母の分のきっぷを購入しました。

最初は母にボタンを押してもらって自分で買ってもらおうと思いましたが、隣で教えながらでも母は操作ができませんでした。

なので、私が自分で操作して母の分のきっぷを買いました。

母はきっぷを通して改札を通ることはできました。

母が電車に乗るのはきっと何年かぶりだと思います。

下手したら10年くらい電車に乗ってないんじゃないかな。

だけど、きっぷを取り忘れずに改札口を通れたのはすごいと思いました。

 

母と二人で電車に乗るなんて、記憶の中では初めてのような気がしました。

母と一緒に海を眺めて、近くに座っているこどもが可愛いねって話して。

眠たくなったので母の肩を借りて寝ようとしたら、重いという理由で拒否されて。

電車で帰っている途中なのに「もう帰りたい」という母をなだめて。

とある駅から有名人が乗ってきて母がすばやく発見して。

そういう小さなことで2人でくすくす笑って。

 

ときどき電車で帰るのも悪くないなぁと思いました。

でも、母はあと1駅で降りるっていうときに「トイレに行きたい」と言い出しました。

しまいには「おしっこしたい」と言い出します。

もちろん小声ですが、大人が「おしっこしたい」と言うのはちょっと言葉のセンスが大人じゃないなぁと思いました。

母はそういうワードを下品と思うタイプでめったに使わなかったのに、

最近は「おしっこ」というワードをときどき使います。

 

結局、なんとか説得して自宅の最寄り駅までトイレを我慢してもらいました。

そして、最寄り駅から自宅まで、母は走って帰りました笑

途中で曲がり角を間違えかけたけど、「そっちじゃないよ」と伝えるとちゃんと自宅まで帰ることができました。

トイレがしたくて走ったはずなのに、私よりも早く帰ってきた母はトイレには行かずに父と立ち話していました。

だから、私が先にトイレを使いました。

 

結局、その後30分くらい、母はトイレに行きませんでした。

電車の中で話していた尿意はどうしちゃったの?笑

 

たくさん大変なこともあったけど、祖父母の家に母と一緒に泊まれて良かったです!

また一緒に行けたらいいけど、今度は帰りたいって言わせたくないなぁ。