若年性認知症の母と私。

59歳の母と27歳の私の遠距離介護日記

母と祖父と卵焼き

2024年3月20日。

祖父母の家に1泊2日したときの2日目のお話です。

 

母は朝5:30頃にトイレで起きてから、きっとうたた寝状態だったのでしょう。

祖父が朝6:30に起きた物音に母は反応してリビングに行きました。

私は横になってダラダラしていました。

母と祖父がなにか会話をしているのが聞こえました。

多分、母が下着だったので祖父が「寒いからまだ布団に入っていろ」というような会話をしていたんだと思います。

母は割とすぐに布団に戻ってきてうたた寝を始めました。

祖父は起きてからリビングの暖房をつけてゆったり新聞を読みます。

祖母は朝8時頃に起きてリビングに行きます。

母は祖母が起きてから少ししてのそのそと布団から出ました。

そして、祖母に「もう帰りたいんだけど」と相談していました。

祖母はまだ帰れないことを説明して、母に服を着るように促しました。

母が服を着てリビングに戻ると、祖母は朝ごはんの支度をしようとしていました。

祖母「ママは卵焼き?目玉焼き?」

母「いらない。なんにも食べない」

祖母「え?いらないの?」

母「いらないよ。食べない」

祖母「食べないとだめだよ。卵焼きにするかい?」

母「いらないって!」

 

母の機嫌が悪くなりそうだったので、私ものそのそと布団から出ました。

 

私「おばあちゃん、おはよう。ママは食べないって言ってても食べるから大丈夫」

母「食べないってば!!もう帰りたいの」

母は泣き出しました。

祖母「卵焼きでいいのかい?目玉焼きの方がいい?」

私「卵焼きの方がいいな」

祖母「じゃあ、じいちゃん!卵焼きだって!」

卵焼きは祖父が担当です。

私「ママもおじいちゃんのこと手伝ってあげて」

 

ここから母と祖父の戦いが始まりました。

母が卵を混ぜて、祖父が卵の味付けとしてめんつゆとお砂糖を入れました。

祖父がめんつゆを入れるところを母は見ていました。

母「お父さん!!そんなに入れたら多すぎるって!!お父さん!!」

祖父「ん?(笑いながら)そんなに入れてないべや笑」

母「入れすぎだって!!!お父さん!最低!!」

祖父「最低ってかい笑」

母「お父さん、入れすぎだって!今、最低なことしたんだよ!お父さん!ほんとにありえない!!!」

母は祖父に対してかなり激怒。

祖父は苦笑いしながらかなり困惑していました。

そのまま祖父はフライパンを温めて卵焼きを焼き始めました。

母「お父さん!火強すぎ!!焦げちゃうって!!」

祖父「ほんとかい?」

母「もう火消して!蓋して蒸したらいいんだから!消して!」

祖父は弱火にしましたが、あまりにも母が火を消してとお願いしたので、祖父はとうとう火を消しました。

そして、フライパンの蓋をしました。

 

卵焼きを蒸している間に朝食の準備をしました。

母にも手伝ってもらいながらお皿を準備したり、お味噌汁をよそったりしました。

母は「なんでこんなことしなきゃいけないの!もういやだ!」と言いながらも、動いてくれました。

 

そして、問題の卵焼き。

結果的に卵焼きの中は半分生っぽかったけど、それはそれで美味しかったです。

気持ち的にはもう少し焼いてほしかったけど笑

味も少し薄め。

祖父はいつももう少しめんつゆとほんだしも入れていましたが、今回は入れることができませんでした。

あんなに祖父のことを「最低!!」と言った母は

卵焼きにめんつゆをつけて食べていました笑

それをみた祖父は「めんつゆつけて食べてるよ」と声を出しながら笑っていました。

祖父は本当に心が広くて優しい人です。