若年性認知症の母と私。

60歳の母と27歳の私の遠距離介護日記

母と眠剤

 

さて、今日は母と眠剤の話をしようと思います。

 

母は50代になってから更年期障害を訴えるようになりました。

命の母を飲んだり、ホルモン剤のようなサプリメントを内服したり。

婦人科に通ったりもしていました。

 

更年期障害の初期のときはかなりイライラしていましたね。

私も学生だったので、よく母と口喧嘩をしていました。

暑がることも多くて、窓を開けるか閉めるかでよくケンカしました。

 

母はだんだん眠れなくなってきたようで、婦人科で眠剤をもらうようになりました。

眠剤を処方された経緯について詳しいことは知りません。

母に聞いてもあまり教えてもらえません。覚えてないのかな。

 

母はいろんな種類の眠剤を試していました。

何か所かの病院から何種類か眠剤をもらっていたのかな。

それで自分に一番効く眠剤を探していたように思います。

 

そのころの母は病気ではなく、普通の母だったので

母の薬のことは詳しく知りませんでした。

「なんかいろんな薬を飲んでいるなぁ」

そんな風に思う程度でした。

私は母のことよりも自分のことを優先して生活していました。

 

そんな日々が何か月、いや数年続きました。

母がいつから眠剤を飲み始めたのか本当にわからないので

どのくらい月日がたったのか分かりません。

母はお薬手帳も持っていませんでしたから。

 

そんなある日。

母は夜中に何度も起きるようになりました。

夜中に追加で眠剤を飲んでいるような気配や音がしました。

母に確認しても「飲んでない」と言われます。

そのころは普通の母だったので母の言葉を信用するしかありません。

 

母は強いこだわりを持って行動するようになりました。

もともと母は頑固な性格でしたが、頑固じゃ言い表せないくらい強情になりました。

例えば、母が1+1=5だと思い込めば、誰が何と言おうと答えは5。

理論を説明したり、図で表したりしても聞く耳を持ちません。

母は自分が絶対的に正しいと思い込むことが本当に増えました。

 

母のこだわりが綺麗好きであったり、家族のためのものであれば、まだ許せます。

でも、母のこだわりは理解できないものです。

例えば

・燃えるゴミの日にゴミ袋にゴミをまとめて捨てに行った後、ティッシュ生ごみが出るたびに何度もごみを捨てに行く。

・買い物に行って買い忘れがあったら、何が何でもその日にまた買い物に行く。たとえそれが今すぐ必要なものではなくても。どんなに遠いスーパーでも。

・寝るときに着る服はどんなに伸びていても、決まった服がいい。

 

まだまだあったように思いますが、もうあまり思い出せません。

今もこだわりが続いているものもあります。

でも、今は母の行動を見守るようにしています。

注意しても聞き入れてくれないので・・・。

 

また、母の身だしなみに変化が出てきたのもこのころからだったと思います。

毎日同じ服で外出していたり、寝間着から下着が見えていても気にしていなかったり。

メイクもしなくなりました。

 

眠れない日々が続いて、眠剤の量もかなり多くなっていました。

母は眠剤のほかにもアロマや寝る前のハーブティも試していました。

母は「ハーブティが効いている」と言って飲んでいましたが、

実際に見てみると、ハーブティを淹れて一口飲むだけ。

全部飲むのは朝起きてからでした。

夜にハーブティを飲むとトイレが近くなるから一口しか飲まないらしいです。

これも母の強いこだわりのひとつでした。

 

 

 

母が前頭側頭型認知症になった原因は分かりません。

でも、眠剤がきっかけのひとつになったのではないかと家族は考えています。

だからといって、眠剤は絶対に危険だとは言えません。

ちゃんと医師と相談して容量や用法を守った上で使用するのは良いと思います。

 

この記事を読んでくださった方、眠剤については必ず医師に相談してください。